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 双極性障害(双極症)寛解成就(かんかいじょうじゅ)への道は、ご自身がこの病になったことを自分自身で受け入れることから全てがはじまります。時には素晴らしい働きをし周りに幸せをもたらす存在になったかと思えば、時には”狐憑き”につかれ、呪い祟りに突き動かされたように周りのすべてを破壊してしまう。そんな自分を自ら呪い、自死を選ぶ方も珍しくありません。

 

 大切なことは自分の力の及ばぬものの力を認め、しかしながら勤めて”低め安定・高め安定”を自分自身で維持するために日毎日毎のセルフモニタリングが重要となります。神道では神社にがよく祀られていますが、これも自分自身を常に客観的に見つめるための大切な神具です。

 

 西洋医学的な治療、服薬は確実に続けながらも日々の生活の中に日本古来の神道に則り、毎朝神棚の米・塩・水・お榊(さかき)の水などをお取り換えし神様と向きあう中で、今日の自分の状態を再確認すると共に一日の平安を自らに祈ることが日々を豊かにする確かな一歩です。

 

 とはいえ期では寝室布団からも出ることがままならないという時期があります。これを私は”忌籠もり/斎籠もり(いみごもり)”の時期と捉えて神事からも距離を置かせてもらうべき期間として、神棚神殿のお世話をお休みさせて頂きます。むしろ状態は穢(けが)れ(気が枯れる)状態で忌伏せるべき時ですから、神社などに参拝することは失礼な事であり勤めて慎まねばなりません。

 

 古来より日本にはハレとケとして、おめでたいこともあればそうでないこともあり、様々な神々のご事情によって私たちの暮らしに緩急がつくのが当然とされてきました。それは今も実は変わりありません。表向き様々な便利なツールが暮らしの模様をかえ、この双極神社もPCや携帯・スマートフォンから遥拝出来るようになりました。しかしそこにある精神は忘れかけているだけで変わらず私たちの中にあるのです。

 

 まずは氏神様(うじがみさま)へも参拝してみましょう。氏神様とは今お住まいの土地にお鎮まりになられている神社の神様の事です。先に述べましたが期は参拝されない方がよいので、気が向いた時で結構です。お賽銭も数十円程度からで、もしも懐が暖まる事があったなら少し多めにお納めしてみるのも良いかもしれません。メンタルクリニックなどでカウンセリングを受けるとなると一回50分約5,000~10,000円を月に1~2回、しかも何カ月いや何年かかるかも分からず、経済的負担が長期にわたって発生すれば金欠から事態を更に悪化させかねません。その点神社に出向くにあたって必要な出資は数十円程度のお賽銭からだけです。

 

 これらの症状は、お金を積めば完治するものでも寛解(かんかい)するものでもありません。先人達が精神に関わる事についてどのような叡智(えいち)を編み出して来たのか、それを探る時に私達は来ていると感じています。

 

宮司

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